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<Author: 杜甫>
<Title: 春宿左省>
<Format: 五言律詩>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 春 左省に宿る>
<BookPage: 352>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
花隱掖垣暮，
啾啾棲鳥過。
星臨萬戶動，
月傍九霄多。
不寢聽金鑰，
因風想玉珂。
明朝有封事，
數問夜如何。
<End Poem>
<Translation>
咲（さ）く花（はな）がぽんやりと見（み）えて、宮殿（きゅうでん）の小門の垣（かき）のあたりに暮色（ぼしょく）が迫（せま）っており、さびしくさえずりながら、ねぐらを求（もと）める小鳥（ことり）が飛（と）び過（す）ぎてゆく。夜（よる）がふけてゆくと星（ほし）の光（ひかり）は、数知（かずし）れぬ宮殿（きゅうでん）の扉（とびら）を照（て）らしてまたたき、月（つき）の光（ひか）りは、天子（てんし）の宮殿（きゅうでん）に近（ちか）づいて満（み）ちあふれている。

このような宿直（とのい）の夜（よる）ふけにわたしは眠（ねむ）ることができず、宮門（きゅうもん）を開閉（かいへい）する黄金造（おんごんつく）りの鍵（かぎ）の音（おと）を、耳（みみ）をすましてきこうとしたり、風（かぜ）の吹（ふ）く音（おと）に、早（はや）くも参内（さんない）して来（く）る人々（ひとびと）の馬（うま）のくつわの玉飾（ぎょくかざ）りが鳴（な）る音（おと）ではないかと思（おも）ったりする。明日（あした）の朝（あさ）は、天子（てんし）に意見書（いけんしょ）を上奏（じょうそう）する任務（にんむ）があるので、わたしは、周囲（しゅうい）の人（ひと）に何回（なんかい）も、今（いま）は夜（よる）の何時（なんじ）ごろかと問（と）いかけてみるのだった。
<End Translation>